すねの内側が痛い!それシンスプリントかも?

シンスプリントに対する鍼灸治療のご紹介

シンスプリントの概要

シンスプリントとは、運動時に脛骨(すねの骨)の内側や周辺に痛みが生じる症状を指します。特にランニングやジャンプなど繰り返し衝撃が加わる動作を行うアスリートに多く見られる障害です。この状態は過度の使用や不適切なトレーニングが原因となることが一般的です。

シンスプリントの病理

シンスプリントは、筋肉、骨膜、筋膜が過剰に負担を受けることで炎症が発生することが主な原因です。特に脛骨後内側部に付着する筋肉である後脛骨筋、長趾屈筋、ヒラメ筋などの過度な負荷が関与します。これらの筋肉の持続的な引っ張りにより骨膜が刺激され、痛みや炎症が生じます。

さらに、シンスプリントを放置すると疲労骨折に進展するリスクもあります。そのため、早期の診断と適切な治療が重要です。

好発部位の解剖とコンパートメントについて

シンスプリントが主に発生するのは、脛骨の内側下部です。この部分は下腿の内側コンパートメントに位置し、主に後脛骨筋、ヒラメ筋、長趾屈筋が影響を受けます。

下腿の筋肉は複数のコンパートメント(区画)に分かれています。それぞれの区画は筋肉、血管、神経が存在し、筋膜によって囲まれています。コンパートメント内の圧力が増加すると、痛みや障害が生じることがあります。これをコンパートメント症候群と呼び、シンスプリントとの鑑別が必要です。

シンスプリントに似ている下腿周囲の傷害

シンスプリントと似た症状を持つ障害には以下のようなものがあります:

  • 疲労骨折 – 脛骨に微小な骨折が生じる状態で、シンスプリントと同様に運動後に痛みを伴います。
  • コンパートメント症候群 – 筋膜内の圧力が上昇し、血流や神経伝達に障害を生じる疾患。
  • アキレス腱炎 – アキレス腱の炎症で、ふくらはぎや足首付近に痛みを感じます。
  • 腓骨神経炎 – 腓骨神経が圧迫されることによる痛みや痺れが特徴。

これらの症状は医師や専門家による診断が必要です。

シンスプリントに有効なセルフケアの紹介

シンスプリントの症状を軽減するために、以下のセルフケア方法が効果的です:

  • ストレッチと筋膜リリース – 後脛骨筋やヒラメ筋を中心としたストレッチを行い、筋膜ローラーやマッサージボールを活用して筋肉をほぐします。
  • アイシング – 痛みがある部分に氷を15–20分当てることで炎症を抑えます。
  • 適切なシューズの使用 – アーチサポートやクッション性のある靴を選び、足への負担を軽減します。
  • 休息とトレーニング調整 – 痛みが続く場合は運動を一時的に中止し、負荷を減らしたトレーニングに切り替えます。
  • 温浴

温浴は筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで回復をサポートします。シンスプリントの場合、以下の方法をお勧めします:

  1. 温度:お湯の温度は38~40度が理想的です。熱すぎない温度で、リラックス効果を得られます。
  2. 時間:15~20分程度、足全体を浸けるようにしましょう。運動後や寝る前に行うと効果的です。
  3. 追加アイテム:エプソムソルト(硫酸マグネシウム)をお湯に加えると、筋肉の緊張緩和と疲労回復をさらに促進します。

セルフストレッチ

セルフストレッチはシンスプリントの痛みを和らげ、再発予防にも効果的です。以下のストレッチを取り入れると良いでしょう:

  1. ふくらはぎのストレッチ
    • 壁に手をつき、片足を後ろに引いて、かかとを床につけたまま体を前に倒します。
    • 15~30秒キープして左右交互に行います。
  2. 足首のストレッチ
    • 床に座り、片足を伸ばしてつま先を手でゆっくり引っ張ります。
    • 足首の筋肉が心地よく伸びる感覚を意識しながら、反対側も同様に行います。
  3. 脛(すね)のストレッチ
    • 正座の姿勢になり、つま先を床に向けて足の甲を伸ばします。
    • 10~20秒程度キープし、無理のない範囲で行ってください。

これらを日常的に実践することで、シンスプリントの改善と再発防止に役立ちます。また、症状が強い場合は無理をせず、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

シンスプリントは運動やスポーツを行う人にとって避けたい障害ですが、早期の対処と適切なケアで改善が可能です。鍼灸治療は筋肉の緊張を緩和し、血流を促進することで、シンスプリントの痛みや炎症を和らげる有効な手段です。

また、セルフケアや日常生活での注意を組み合わせることで、再発防止にもつながります。シンスプリントに悩んでいる方は、ぜひ一度鍼灸治療を試してみてください。

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