「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みやハリ感などの不快感といった症状の総称です。
スポーツ、家事、仕事、就寝前後など…、腰痛の症状はいろいろな状況で発生します。
冬場は特に冷えが原因で症状が悪化する方も多いです。
ほとんどの人がこの腰の痛み・違和感の経験があると思いますが、病院に行くほどの激痛ではないし薬も飲みたくないという方は多いと思います。
はり治療やお灸なんかもおススメしますが、「自宅でお灸はちょっと…。」「仕事の合間にちょこっとケアしたい…。」
そんな際に役立つ、我々鍼灸師も多く使う、【ツボ】をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
腰痛とは
そもそも腰痛とはどういった原理で発症するのかを簡単に説明します。腰の構造や筋肉、神経との兼ね合いをイメージしてもらえるように解説いたします。
腰の骨格
人の背骨は、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎3~6個がつながって、建物でいう大黒柱を作っています。
腰椎はこれらのうちでもっとも大きく後方の突起も発達しています。
これは体重を最も多く支える部位のため、多くかかるストレス(負荷)に耐えられるよう発達した形といえます。
また腰椎の後方には、脳から下降してくる脊髄をその中にいれて保護します。
体重を支えることと脊髄神経を守ることが腰椎の役割です。
腰の筋肉
筋肉を取り除いた脊柱はヨットのマストのようにひ弱なものです。
それを支えているのは、ヨットでいえばマストに張り付いたロープですが、腰においては筋肉です。
腰回りの筋肉は体幹を安定させて支える効果があり、筋肉の強度や柔軟性のバランスが崩れると悪い姿勢になり腰痛が発生しやすくなります。
腰椎を支えるローカル筋の鍼灸施術やそれに付随した運動指導を行います。
腰の神経
腰痛とは簡単に言えば腰の炎症反応です。
腰が痛くて同時に足にも症状がある場合、多くの場合、腰椎部で神経の圧迫がされています。
圧迫の原因は腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因として考えられます。
神経が圧迫されると、普通はしびれや力が入りにくい(脱力感)に気づきます。
特に多いのは足の甲や指の痺れといった症状です。
腰痛と痺れを伴う場合は、腰の炎症も同時に起きていると考えられます。
症状が強い場合は病院での精密検査を強くおススメします。
鍼灸やツボの話
前項に書いたようにように腰の痛みといってもさまざまな要因があります。自宅のちょっとした時間でできるセルフケアとして、ツボ押しをおすすめします。身体の至る所にあるこのツボを刺激することによって、腰痛症状が少し軽くなるかもしれません。後述するお勧めのツボをご紹介する前に簡単にツボとは何なのかご紹介します。
ツボって何?
そもそもツボとは何なのか。鍼灸師がツボという言葉を使う際は、大体が経穴と奇穴という14経脈にある治療点を指します。
頭の先から足先まで約360穴ものツボが存在すると言われています。
ツボにはそれぞれ意味があり、効果も違います。
腰痛があるときに反応が出るポイントのことでもあり、押圧した際に押した際に痛みがあると思います。
その痛みに関しても治療点を決めるうえで大事になってきます。
その中でも比較的場所が分かりやすく、ご自身でも押圧しやすいツボをいくつか紹介させていただきます。
ツボ押しのコツ
簡単に真似できるツボの押し方をご紹介します。
1.指の腹で押す
鍼灸師やあんま指圧マッサージ師は経穴を刺激する際に指尖をよく使います。
ツボはとても小さい範囲でまさに”点”だからです。
プロの方が行う場合はより刺激の強いこの方法でやることをおススメしますが、一般的には力加減のしやすい指の腹を使いましょう。
後述するツボの位置を理解したうえで、ある程度の場所を決めて指の腹を使って”範囲”で押圧しましょう。
2.押圧した際に、心地の良い強さで行う
押圧した際に痛すぎると、神経が興奮して逆効果になることがあります。
痛すぎず、心地の良い力加減を目安にして刺激してください。
周りの筋肉や皮膚も、徐々に緩みだすため効果的です。
3.揉まずにゆっくり押してゆっくり離す
一番大事なポイントです。ゆっくり息を吐きながら押し、吸いながら離してください。
筋肉は解せば血流が上がり緩みます。
しかし指先で強く揉んでしまうと、揉み返し症状が出てくることがあります。
ご自身で力加減をしながら押圧を行ってください。
ツボ押しで注意すること
1.長時間ツボ押しを続けない
揉み返しの話につながりますが、押す力が強い場合と同じで、長時間ツボ押しをすると調子が悪くなりやすいです。長くても一回5分程度に抑えましょう。
2.身体が冷えているときは避ける
身体が冷えていると筋肉は硬くなります。
血流が悪い時に硬い筋肉を刺激しても効果が薄いため、なるべく身体を温めてからツボ押ししましょう。
お風呂上りなどが一番おすすめです。
3.痛みが強い時は無理しない
激しい痛みや痺れを伴う腰痛はセルフケアも大事ですが、早めに医療機関を受診しましょう。
ご自宅で腰や下肢にある経穴では対応できない場合は、後述する腰退点を押してみましょう。
手の甲にある奇穴で、いざという時に覚えておくと便利です。
腰痛に効く簡単ツボ押し
実際にツボ押しをして腰痛改善に期待ができるツボをピックアップしました。経穴と奇穴から合わせて4穴。簡単に刺激できるツボばかりなので参考にしてみてください。
腰退点(ようたいてん)
取穴:手の甲、第2、3、および4、5中手骨底間の陥凹部
急な腰の痛みが出た際などに活躍する奇穴です。
上の画像のように手をパーにした時に、
①人差し指-中指の間、②薬指-小指の間、から手の甲に伸びた腱のすぐ横に取ります。
指先、またはフリクションボールペンの裏側などで押しましょう。
主治:急性腰痛、捻挫、腱鞘炎、リウマチ
委中(いちゅう)
取穴:膝を曲げた時のしわの中央、動脈の拍動部に取ります。
背中~腰の症状に使うツボの中でもポピュラーな経穴です。
腰痛持ちの方もそうでない方も押したときに痛みを強く感じやすいです。
このツボの深部には脛骨神経という大事な神経も走行しているため、強く押しすぎたり揉んでしまわないように、力加減に注意しましょう。
腎兪(じんゆ)
取穴:第2腰椎の高さ、背骨の両脇の筋肉上に取る
腰に手を当てて親指が当たる背筋上にあるツボです。
腰痛の痛みが強い場合は無理に刺激しないように気を付けましょう。
この付近には同経脈のツボが集中しているため、押して気持ちの良いポイントを優しく押しましょう。
秩辺(ちっぺん)
取穴:仙骨の外側でおしりの筋肉上、第4仙骨孔から約9cm外側
筋肉でいうと大殿筋、中殿筋に当たるツボで、腰痛改善によく使うポイントです。
しかし指で押すとなるとかなりの力が必要になります。
そんな時は、テニスボールや自身のこぶしを使って刺激しましょう。
ほかの部位と違って、おしりは筋肉と脂肪の厚みがあるため少しくらい強くても大丈夫です。
痛すぎず、気持ち良いくらいの刺激を目安にしましょう。
ツボ押しでセルフケアを!
今回は腰痛の基礎知識とセルフケアで使えるツボ押しとその経穴をご紹介しました。痛みが出た時の対処法としても、腰痛予防の一環としてもツボ押しは使えると思いますのでご活用ください。
腰痛にお困りの方にやってほしいストレッチに関する記事はこちらから↓
当院ではご紹介したツボや筋肉に対してはり・きゅうを使った施術を行います。腰の違和感や慢性的な痛み・しびれなどにお困りの方や、鍼灸施術に興味のある方は、鍼灸施術の紹介ページをご覧ください。
梅島・西新井エリアで鍼灸をお探しの方はこちら
梅島鍼灸院では鍼灸治療、美容鍼、スポーツ鍼灸を行います。
梅島、西新井、五反野エリアから、足立区全般の患者様に多くご利用いただいています。
頭痛や腰痛、首・肩のコリや腰痛、坐骨神経痛、全身疲労、自律神経の乱れの治療にも有効です。
西新井・梅島エリアを含む足立区で腰痛治療をお探しの方は梅島鍼灸院にいつでもご連絡ください!