今回は、鍼灸×ぎっくり腰のテーマでお話をしていきます。
腰痛にもいろいろ種類がありますが、ぎっくり腰というワードは良く聞くと思います。
しかし実際には、ぎっくり腰という病気は無いのです。
それではぎっくり腰とは何なのか、具体的な病気や鍼灸の目的などをお話しします。
Contents
ぎっくり腰とは何か?
ぎっくり腰と良く言いますが、具体的にはどういうものなのでしょうか?
結論から言うと、急性の腰痛の通称がぎっくり腰と言います。
重たいものを持ち上げた際や勢いよく身体をひねった際に発症することが多く、朝起きて身体を起こそうとした際にも発症することがあります。
原因は様々で骨、軟骨、関節、筋肉、など原因になりうるものは多いです。
激しい痛みが急に現れた場合は無理せず安静にして治療を検討しましょう。
腰痛原因になる要因は?
急性腰痛に関して様々な原因が考えられます。
姿勢のアンバランスや骨格の歪みが関わっていることが多く、起きている時の姿勢と寝ている時の姿勢、両方とも関わりがあります。
悪い体勢で強い力が加わった際に大きな怪我が発生しますが、ぎっくり腰もその一つです。
椎間板という椎骨と椎骨の間でクッションの役割をしている部位が、加齢や大きな外力によって変性・変形した場合に内部の髄核という物質が外側に飛び出てきます。
椎間板ヘルニアという病気の一種で、腰痛に大きく関わる病気の一つです。
腰骨と言われている腰部の椎骨。椎骨と椎骨の間は関節が存在していて、その椎間関節の骨折が原因で地滑りの様に変位することを、分離症・すべり症と言います。
腰椎椎間板ヘルニア
椎間板は髄核と繊維輪で構成されています。
加齢などによって髄核の周りを覆っている線維輪が弾力を失うと、小さな亀裂が入って、髄核の一部が外に飛び出します。
この押し出された髄核が神経を圧迫するため腰や下半身などに痛みや痺れが生じます。この状態を放置していると、髄核がどんどん押し出されて、痛みや痺れが強くなっていきます。
腰椎椎間板ヘルニアは実は高齢者が多くなる病気ではなく、20代から40代の男性に多い病気です。前かがみや中腰の姿勢を長時間続けたり、重たいものを急に持ち上げたりしたときなどに発症する危険性があります。
脊椎分離症・脊椎すべり症
分離症やすべり症は主に若い子たちに発症します。
椎骨は本体である「椎体」と、後ろ側の「椎弓」で構成されています。
この椎体と椎弓が疲労骨折を起こし、分離してしまった状態を「脊椎分離症」と呼びます。
骨がまだ成長しきっていない若年時にスポーツなどの負担が積み重なり発症します。
症状として、運動中や長時間同じ姿勢でいるときなどの腰痛があげられます。
しかし、目立った症状が無い場合も多く、放置されていたものが大人になってから発見されることもしばしばです。早期に発見され適切な治療が行われれば、完治が期待できます。
鍼灸での対応
鍼灸治療でぎっくり腰の患者様の対応をするとき、主に2つのことを目的に治療します。
今一番つらい症状の緩和とその症状の原因となる問題の治療です。
痛みや痺れの緩和
はり治療も安静を基本とし、下肢の反応点に施術を行い可能であれば腰部にも施術します。
患部の鎮静・鎮痛効果を目的とした施術を行い、今あるつらい症状を緩和させることを第一に治療します。
下肢の反応点は、腰と関わりのあるツボや筋肉を刺激することで、鎮痛効果はもちろん関節の可動域の改善にも効果的です。
腰部では、椎骨周辺にある軟部組織の緊張を緩めることで、椎間板などにかかる負担の軽減が見込めると言われています。
夾脊穴という脊柱の最も出っ張った部分の傍らにあるツボを使います。
原因を見つけて本治を目指す
多くの人が、痛みや痺れがある程度無くなれば治ったと考えますが、それは非常に危険な考え方です。
症状には必ず原因がありその問題を改善しない限り再び痛める可能性が非常に高いです。
その原因は、筋肉にあるかもしれないし、骨にあるかもしれません。
鍼灸を受けに来る方は、接骨院やマッサージ店などで施術を受け、効果を実感できなかった方も多く見受けられます。
その場合の多くは、骨でも筋肉でもなく、身体の内部であったり生活リズムや姿勢の悪さが日常化している場合がほとんどです。
鍼灸治療で身体全体のバランスを整え、痛みの出にくい健康な身体づくりをお手伝いいたします!
こんな方におススメです
ぎっくり腰でお悩みの方でこのような症状の方には鍼灸を強くおススメします。
- 激しい痛みで身動きが取りづらい
- 腰を曲げていないと歩くことが出来ない
- 仰向けでベッドや布団に寝ることが出来ない
- ぎっくり腰が良くなっても度々繰り返してしまう
- 腰から下肢、指先にかけてなど痛みや痺れ、感覚異常がある
鍼灸治療でぎっくり腰を治療する場合、まず痛みや痺れなどの症状を寛解させていき、その後に原因となる要因をじっくり治していきます。
身動きも取れない、そんなときは…
基本的には安静が第一です。急な激しい痛みや下半身の痺れが強い場合、鍼灸での対応は無理にはしません。
その場合は無理せず救急車やタクシーを呼んで病院にかかりましょう。
根本治療にはなりませんが、痛み止めの注射やブロック注射といった強い薬、麻酔で痛みを感じなくしてもらえます。
後療法として、または薬で落ち着いている間に鍼灸治療で本治を目指すのもアリですね!
最後に
ぎっくり腰にも種類があり、それぞれ治療方針も異なります。
基本は安静に過ごして炎症を落ちつかせ、鍼灸で根本治療をしていきましょう。
不安な事やこれは鍼灸で対応できるのか、など、分からないことがあればお気軽にご相談ください。