ストレートネックによる首の痛みや眼精疲労などの諸症状に効果的な治療法の1つが鍼灸治療です。
「年々、肩コリがつらくなってきた」
「パソコンやスマホをよく使用する」
「前傾姿勢での家事が多い」……
それはただの疲労ではなくもしかしたらストレートネックかもしれません。最近では子供でもスマートフォンを持つ時代で、若年層でもストレートネックの人はかなりの数存在します。大人、子供関係なく首や肩の不調に悩む人が多くなっているのです。
ストレートネックは治療せずに放っておくと、睡眠障害や自律神経失調症などさまざまな病気につながる可能性があります。
今回はストレートネックについて、ストレートネックの鍼灸治療について紹介していきます。
Contents
ストレートネックとは
ストレートネックとは、本来は前方へゆるやかにカーブしている首が、カーブが少なくなり真っ直ぐになった状態を言います。原因は下向きの姿勢が増えて、頭を支える首の負担が大きくなり、筋力が低下するためです。
健康な首とストレートネックの違い
健康な首は、見た目としては真っ直ぐ上に伸びているように見えますが、実際には頚椎はゆるやかに前へカーブしています。このカーブがあることによって頭の重さなどを分散することができ、頭を支えている筋肉に均等に負荷が加わります。その結果、バランスが保ちやすく疲れにくい良い姿勢になるのです。
一方、ストレートネックは、頭が斜め前に突き出して見えます。背の高い人や猫背の人で頭が前に出ている人を見かけたことがあると思います。頚椎のゆるやかな前方カーブが失われ、斜め前に向かって真っ直ぐに伸びている状態がストレートネックです。
頭がが不自然に前に突き出す姿勢は、常に首の後ろから肩・背中の筋肉に負担が加わる状態であり、これが首・肩のコリの原因になります。
また首のカーブが失われると特定の頚椎に圧力が集中して骨の変形が起こったり、クッション機能を持つ椎間板が潰れたりするというリスクが高まるため注意が必要です。
ストレートネックの原因
ストレートネックの原因は猫背や前傾姿勢でした。ここではさらに掘り下げて、日常生活によくある具体的な3つの原因を説明します。
ストレートネック の原因① スマートフォン、携帯端末
スマホを扱う時に皆さんはどんな姿勢で扱いますか?
大体の方が操作をするときに、俯く姿勢になっているはずです。
この俯く姿勢は、前項で述べた通り、首への負担が大きく筋肉が支え切れなくなって首は本来のカーブを失います。そしてストレスがストレートネックが発症します。
スマホの長時間の使用で首・肩のコリ、腱鞘炎、眼精疲労、視力低下、ドライアイなどの症状が出やすくなります。
ストレートネック の原因② パソコン
パソコンの長時間使用は、座ったまま同じ動作を繰り返す作業が多く、また同じ座位姿勢を保ち続けるため筋肉が常に緊張している状態になります。それが原因で筋疲労や痛みの原因になります。
ふと思い出したときに、自分の姿勢を確認してみてください。きっと頭が前に出た猫背のような姿勢になっているはずです。
ストレートネックの原因③ 寝具、まくらなど
良く沈むベッドマットレスや、必要以上に高さの出るまくらなどは全てストレートネックを助長する原因となります。身体の重さを分圧することで自然なS字カーブを作ると謳ったマットレスをよく見かけると思います。
寝具類に関しては実際に寝てみて、身体が楽かどうか、楽だが悪い姿勢になっていないかを確認することが必要不可欠です。いろいろな寝具を試して自分に合ったものを使いましょう。
ストレートネックによって起きるケガ
ストレートネックの原因を確認してきましたが、実際にストレートネックの症状はどういったものがあるのでしょうか。
ストレートネックの症状はコリや首の痛み・動かしづらさだけではありません。症状が長く続いたり、悪化したりすると、さらなる不調の原因になる可能性があります。
- 首・肩の重さ・ダルさ・痛み
ストレートネックになると、体重の約10%の重みが首のまわりに集中します。その結果、筋肉が疲労して首や肩、背中の重さ、だるさ、痛みが引き起こされます。 - 首・肩こり症状の悪化
ストレートネック は不自然な首の傾斜と骨の形によって、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。その結果、首や肩のコリも強くなるのです。そのままにしておくと、咳やくしゃみなど、ちょっとした刺激でも背中や腕、手にまで痛みが出ることもあります。 - 腕の痺れや手先の神経症状
ストレートネックになると、頚椎と頚椎の間で衝撃吸収の役割を持つ「椎間板」に持続的に負担がかかるようになります。その結果、椎間板が押しつぶされて頚椎椎間板ヘルニアとなり、押しつぶされた椎間板の組織が手指の感覚や運動を支配する神経を圧迫することにより手のしびれや手の筋力低下といった症状をきたします。 - その他
頭痛、吐き気、めまい、イライラ、不眠など首の上部に負担がかかると、緊張性の頭痛や吐き気、めまいなどが出ることがあります。また自律神経の機能が低下して、イライラや不眠などの原因になることもあります。
ストレートネックに対する鍼灸治療
鍼灸治療でぎっくり腰の患者様の対応をするとき、主に2つのことを目的に治療します。
今一番つらい症状の緩和とその症状の原因となる問題の治療です。
頚部から背部の筋緊張緩和
ストレートネックの鍼灸治療の目的として、現在抱えている首・肩のコリやハリ感の除去が挙げられます。
悪い姿勢が続き、筋肉や神経の過緊張が起こり結果として血流が悪化し肩こりなどの症状が現れます。
また眼精疲労の症状も併発していることが多く、後頭部にある眼精疲労に効くツボも使い症状の改善に努めます。
頚椎~骨盤(仙骨)のバランス調整
首・肩周辺の緊張を緩めることと同じくらい重要なことは、脊柱(頚部~腰部の背骨)のS字カーブの調整です。
姿勢の改善がすべての症状に繋がっています。
鍼灸治療では、猫背や反り腰といった脊柱の異常に対してアプローチしていくことが多いです。アジャストなどを行うカイロプラクティックなどの骨格矯正とは異なり、脊柱左右の筋のインバランスやインナーマッスルの緊張具合などを改善し自然な良い姿勢へと導きます。
施術の過程で、ストレッチやアジャストなどの手技を使うこともありますが、あくまで鍼灸治療の補助として行います。
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ストレートネックの鍼灸治療はこんなひとにおススメです
- 首・肩のコリが気になる方
- 首から背中にかけてハリが強い方
- 猫背が酷く姿勢が悪い人
- PCやスマートフォンをよく使っている人
- 朝起きた時に疲れが取れていない人
- 眼精疲労に困っている方
一つでも当てはまれば治療対象です、深刻な症状になる前にまずはお気軽にご相談ください!
ストレートネックはいろいろな要因が組み合わさって大きな不調につながっていきます。
筋肉、神経、軟部組織など多方面からのアプローチが必要で、その方法の1つである鍼灸治療がおススメです。
眼精疲労や頭痛、自律神経の乱れにも対応できますのでいつでもご相談ください。