足三里(あしさんり)は、東洋医学で特に重要とされる経穴(ツボ)の一つで、胃経に属します。健康維持や体調改善に広く用いられ、古くから「長寿のツボ」として親しまれてきました。セルフケアや鍼灸治療を通じて、足三里を活用することで、体全体の健康をサポートすることができます。
Contents
腰痛や胃腸症状に効く-足三里
足三里穴の位置
足三里は、すねの上部に位置する経穴です。具体的な取り方は以下の通りです
- 脛骨の縁を触れ、やや外側に位置する筋肉の上にある窪みが足三里です
- 膝のお皿の外側下端(膝蓋骨外側下端)から指4本分(約6~7cm)下に移動します
足三里穴の取穴方法のコツ
- 右手の親指と他の4指がL字になるように手を開く
- 親指の内側を右膝のお皿の上縁に、人差し指の内側をお皿の側面にあてがう
- 伸ばした中指がすねの側面付近にあたる→足三里穴の大体の位置が分かる
足三里穴の名前の由来
「足三里」という名前は、足の疲労を改善し、長距離を歩けるようになることに由来しています。「三里」とは、古代中国の距離単位であり、このツボが身体のスタミナを補うことを象徴しています。
足三里穴の効果と役割
東洋医学の観点
足三里は、胃経の重要なツボとして消化器系の調整に役立ちます。また、全身の気血を整え、免疫力を高める効果も期待されています。
- 消化不良の改善
- 胃痛や腹痛の緩和
- 疲労回復
- 免疫力の向上
- 足のむくみや冷えの改善
現代医学の観点
現代医学では、足三里の刺激が自律神経を調整し、血流や代謝を促進することが報告されています。また、慢性疲労やストレス軽減にも寄与すると考えられています。
以前紹介した足三里穴の記事はこちらから↓↓↓
お灸を使ったセルフケア方法やツボ押し
自宅でできるお灸:せんねん灸など
お灸は、古くから親しまれている東洋医学のセルフケアのひとつです。熱の刺激によって血流を促し、冷えや疲れ、肩こりや腰痛の緩和に役立ちます。特に、日々の疲れやストレスを感じる方におすすめです。
自宅でのお灸のメリット
- 手軽にできてリラックス効果が高い
- 血流が促進され、冷えやむくみの改善が期待できる
- 継続することで、体質改善や免疫力向上に役立つ
自分でできる簡単なマッサージ法
- 足三里を見つけ、親指や指の腹を使って心地よい圧力で押します。
- 圧をかけながらゆっくり円を描くようにマッサージします。
- 1回あたり3~5分を目安に行いましょう。
胃腸の不調の他に、腰の痛みやだるさ、疲労感にも効果的で背中~腰の血流改善も期待できます。
鍼灸による施術方法
鍼灸院では、専門家が鍼やお灸で足三里穴を刺激し、胃腸や腓骨神経にアプローチします。鍼やお灸を使う施術は、筋肉や経絡にアプローチでき、即効性が期待できます。
様々な治療に使われる、最も適応範囲が広い常用経穴の1つ。
・脾と胃の機能の巡りを整える
・全身の気と衛気(防御作用の気)を補う
注意点や禁忌
- 刺激を与えすぎないように適度な圧力で行ってください
- 妊娠中や特定の疾患がある場合は、専門家に相談してください
胃腸症状や不調にお困りの方は当院へ
足三里は、胃腸の調整や免疫力の向上、疲労回復に効果的なツボです。セルフケアや鍼灸治療を活用することで、日常生活の中で健康を維持し、快適な身体づくりをサポートしましょう。
