急に腰が痛くなったとき、「手の甲に腰痛に使われるツボがある」と聞いたことはありませんか。
手の甲には、**腰痛点(ようつうてん)**と呼ばれるツボがあります。腰痛点は「腰腿点(ようたいてん)」という別名でも知られ、一般的な経絡上の経穴とは異なる「奇穴」の一つです。
インターネットでは「ぎっくり腰に効くツボ」「腰痛に即効性があるツボ」などとして紹介されることがありますが、腰痛点を押せばすべての腰痛が改善するわけではありません。
とくに急な腰痛にはさまざまな原因があり、脚のしびれや力の入りにくさ、発熱などを伴う場合には、セルフケアだけで様子を見ないことが大切です。
この記事では、足立区・梅島の梅島鍼灸院が、腰痛点(腰腿点)の場所や特徴、ぎっくり腰との関係、自宅で押す場合の注意点、医療機関へ相談したい症状について鍼灸師の視点から解説します。
この記事の要点
- 腰痛点(腰腿点)は、手の甲にある経外奇穴の一つです。
- 左右それぞれの手に2点あり、第2・第3中手骨間と第4・第5中手骨間に位置します。
- ぎっくり腰など急に起こった腰痛に用いられてきたツボですが、腰痛点を押せばすべての腰痛が改善するわけではありません。
- セルフケアでは強く押し込まず、痛みのない範囲でやさしく刺激することが大切です。
- 脚のしびれや力の入りにくさ、排尿・排便の変化、発熱などを伴う場合は、ツボ押しだけで様子を見ず医療機関への相談を優先してください。
腰痛点(腰腿点)とは?
腰痛点は、手の甲に位置する奇穴の一つです。
一般的な経穴には、足三里や委中などのように十四経脈との関係が整理されているツボがあります。一方、腰痛点はそれらとは異なり、経験的に使用されてきた「経外奇穴」に分類されます。
腰痛点と腰腿点は同じツボ?
腰痛点は、**腰腿点(ようたいてん)**という名称でも知られています。
資料によって表記が異なることがありますが、本記事では分かりやすさを優先して「腰痛点(腰腿点)」と表記します。
なお、「腰退点」と書かれている例もみられますが、本記事では腰痛点または腰腿点として解説します。
名称だけを見ると、「腰痛を治すためのツボ」のように感じるかもしれません。
しかし、ツボの名称と実際の症状の原因は分けて考える必要があります。
急な腰痛には、筋肉や関節周辺への負担などが関係する場合もあれば、神経や内科的な問題など別の原因が隠れている場合もあります。
そのため、腰痛点を利用するときも「このツボを押せば原因が解決する」と考えるのではなく、セルフケアの一つとして利用することが大切です。
腰痛点は経絡上のツボではない
腰痛点は、一般的な十二経脈や任脈・督脈上に配置される経穴とは異なります。
鍼灸では、身体の状態や症状に応じて経穴だけでなく、経外奇穴や筋肉の緊張部位なども施術の対象として検討することがあります。
梅島鍼灸院でも、腰痛点だけを一律に使用するのではなく、腰の痛みがどのように起こったのか、身体をどの方向へ動かすとつらいのか、脚に症状がないかなどを確認しながら施術内容を考えます。
腰痛点の場所はどこ?
腰痛点は、腰ではなく手の甲にあります。
左右それぞれの手に2点ずつあるため、身体全体では4か所として考えられます。
手の甲にある2つのポイント
腰痛点は、手の甲側で、
- 人差し指と中指につながる第2・第3中手骨の間
- 薬指と小指につながる第4・第5中手骨の間
に位置するツボです。
手首と指の付け根の間にある中手骨のすき間を、手の甲側からやさしく探していきます。
骨そのものを強く押すのではなく、骨と骨の間にあるやわらかい部分を確認するイメージです。
左右で感じ方が違う場合もあります。
ただし、「押して痛い場所=必ず腰痛点」というわけではありません。手の甲には腱や神経、血管などもあるため、強い刺激を加え続けることは避けましょう。
腰痛点を探すときに強く押し過ぎない
セルフケアでツボを探す際、「一番痛いところを見つけよう」と強く押し込む方がいます。
しかし、ツボ押しは強ければ強いほどよいものではありません。
皮膚が赤くなるほど押す、爪を立てる、痛みを我慢しながら長時間刺激するといった方法は避けてください。
手の甲に腫れや外傷、炎症がある場合も、その部分への刺激は控えましょう。
ぎっくり腰と腰痛点はどのように関係する?
腰痛点は、急に起こった腰痛などに用いられてきた奇穴として知られています。
そのため、「ぎっくり腰の手のツボ」として紹介されることがあります。
ただし、ここで重要なのは、ぎっくり腰そのものが一つの病気の名称ではないということです。
ぎっくり腰は急に起こる腰痛の通称
一般に「ぎっくり腰」と呼ばれる状態は、急に腰に強い痛みが出た状態を指します。
物を持ち上げた瞬間に痛くなる場合もあれば、朝起きたときや身体をひねったときなど、はっきりしたきっかけが分からない場合もあります。
腰の筋肉や関節周辺への負担などが関係することがありますが、痛みの原因をセルフケアだけで判断することはできません。
そのため、「ぎっくり腰だから腰痛点を押せばよい」と決めつけないことが重要です。
腰痛点を押せばすぐ動けるとは限らない
腰痛点について調べると、「即効性」「押せばすぐ動ける」といった表現を見ることがあります。
しかし、腰痛の程度や原因、身体の状態には個人差があるため、腰痛点への刺激によって誰もが同じ変化を感じるとは限りません。
また、痛みが少し変化したとしても、無理に身体を動かしたり、重い物を持ったりするのは避けましょう。
腰痛点はあくまでセルフケアの選択肢の一つとして考え、強い痛みが続く場合には身体の状態を確認することが大切です。
腰痛点の押し方とセルフケアの注意点
腰痛点を自宅で刺激するときは、痛みを我慢するほど強く押す必要はありません。
急な腰痛があるときには、手のツボだけでなく、腰そのものへの負担を増やさないことも重要です。
指の腹でやさしく刺激する
腰痛点を刺激するときは、反対側の手の親指などを使い、指の腹でゆっくり押します。
強く押し込むのではなく、「少し圧を感じる」程度から始めてください。
数秒程度押して一度力を緩める、といった方法を繰り返す程度で十分です。
刺激している途中で手に強い痛みやしびれが出た場合は中止してください。
腰を無理に伸ばしたりひねったりしない
急な腰痛があると、「早く治したい」と考えて強いストレッチを行う方がいます。
しかし、痛みが強い状態で腰を大きく反らす、深く前屈する、勢いよくひねるなどの運動を行うと、かえってつらさが増す場合があります。
動ける範囲で無理のない姿勢を取りながら、少しずつ日常動作へ戻していくことが基本です。
完全に身体を動かさない状態を長く続ける必要があるとは限りませんが、強い痛みを我慢して動く必要もありません。
その日の状態に合わせて無理のない範囲で身体を動かしてください。
腰痛点だけに頼らない
腰痛点は手の甲にあるため、腰そのものを強く揉まずに利用できるセルフケアという特徴があります。
一方で、腰痛点だけを押し続ければ腰痛の原因がなくなるわけではありません。
仕事中の姿勢、長時間の座位、急な運動、睡眠、疲労など、腰に負担がかかった背景も一緒に見直すことが大切です。
腰痛点だけで様子を見ない方がよい症状
急な腰痛の多くは時間の経過とともに変化しますが、症状によってはセルフケアより医療機関への相談を優先した方がよい場合があります。
「ぎっくり腰だと思うから」と自己判断して、腰痛点への刺激だけで長期間様子を見ることは避けましょう。
脚のしびれや力の入りにくさがある
腰痛とともに、脚へ強いしびれが広がっている場合や、足に力が入りにくい場合には注意が必要です。
腰周辺の神経が関係する状態などでも、腰痛と脚の症状が同時に現れることがあります。
症状が強くなっている場合や、歩きにくさを伴う場合は医療機関への相談を検討してください。
排尿や排便の変化がある
腰痛と同時に、尿が出にくい、尿や便をコントロールしにくい、会陰部周辺の感覚がおかしいといった症状がある場合には、速やかな医療機関への相談が必要です。
このような場合は、ツボ押しやマッサージで様子を見ないでください。
発熱や強い体調不良を伴う
発熱を伴う腰痛や、安静にしていても非常に強い痛みが続く場合、転倒や事故の後から腰が強く痛む場合などにも注意が必要です。
また、原因が分からない体重減少や全身状態の変化などがある場合も、一般的なぎっくり腰として自己判断しないことが大切です。
痛みが長く続いている
急性腰痛だと思ってセルフケアを行っていても、痛みが改善せず長期間続く場合があります。
そのようなときは、同じセルフケアを繰り返すだけでなく、医療機関などで身体の状態を確認することも検討してください。
足立区・梅島の梅島鍼灸院では急な腰痛をどのように確認する?
梅島鍼灸院では、「ぎっくり腰だから腰痛点に鍼をする」と一律に施術部位を決めるわけではありません。
急な腰痛が起きたときには、痛みが出たきっかけや場所、身体をどの方向へ動かしたときにつらいのか、脚にしびれや力の入りにくさがないかなどを確認します。
手のツボだけでなく腰や身体全体を確認する
腰痛点は、腰痛に対して用いられてきた奇穴の一つです。
しかし、同じ「ぎっくり腰」という言葉で来院された方でも、身体の状態は一人ひとり異なります。
腰周辺の筋肉の緊張が強い方もいれば、股関節や背中の動き、日常生活での身体の使い方などが関係している場合もあります。
そのため梅島鍼灸院では、手の腰痛点だけでなく、腰、背中、臀部、股関節周辺なども確認しながら鍼灸施術を検討します。
強い症状がある場合は医療機関への相談も大切
鍼灸院では対応できない可能性がある症状を見逃さないことも大切です。
脚の筋力低下や排尿・排便の変化、発熱を伴う強い腰痛などがある場合には、鍼灸施術より医療機関への相談を優先する必要があります。
腰痛点は「腰痛に使われる手のツボ」として知っておくと便利ですが、すべての急性腰痛を自己処置するためのものではありません。
足立区・梅島でぎっくり腰や急な腰痛にお悩みの場合は、ツボだけに頼らず、現在の症状や身体の状態を確認したうえで適切な対応を考えることが大切です。
腰痛点(腰腿点)についてよくある質問
Q1.腰痛点と腰腿点は同じツボですか?
腰痛点は、腰腿点という別名でも知られる経外奇穴です。本記事では「腰痛点(腰腿点)」として統一して解説しています。
Q2.腰痛点はどこにありますか?
腰痛点は手の甲にあり、人差し指と中指につながる第2・第3中手骨の間と、薬指と小指につながる第4・第5中手骨の間に位置します。左右の手に2点ずつあります。
Q3.腰痛点はぎっくり腰に使えますか?
腰痛点は、急に起こった腰痛などに用いられてきた奇穴の一つです。ただし、ぎっくり腰にはさまざまな状態が含まれるため、腰痛点を刺激すれば必ず症状が変化するわけではありません。
Q4.腰痛点は強く押した方がよいですか?
強く押す必要はありません。指の腹でやさしく圧を加え、痛みを我慢しない範囲で刺激してください。手にしびれや強い痛みが出た場合は中止しましょう。
Q5.ぎっくり腰で病院へ相談した方がよい症状はありますか?
脚のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさ、排尿・排便の変化、発熱、転倒や事故後の強い腰痛などがある場合は、ツボ押しだけで様子を見ず医療機関への相談を優先してください。

